ママがいなくて、さみしかったわけじゃない

窓辺で同じ目線で向き合って座る親子の水彩イラスト

わたしの母は、仕事で家にいないことが多い人でした。
さみしかった記憶は、たしかにあります。
でも、大人になったいま振り返ると、その正体は少しちがうのかもしれない。
さみしかったのは、母が「いない」ことそのものじゃなかった。
もしかしたら、同じように感じている人がいるかもしれない。
そして、いま子育てをしている人にも、何か届くかもしれない。
そんなふうに思って、今日はこのことを書いてみます。

目次

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「いない」ことが、つらかったわけじゃない

母が仕事でいない。
その事実だけなら、わたしはきっと、もっと平気でいられたと思います。
子どもなりに、お母さんは働いていて忙しいんだと、わかっていたから。
むしろ、がんばっている母を、すごいなと思っていたくらい。
つらさの本当の理由は、もっと別のところにありました。
帰ってきた母が、わたしのほうを見ていない。
体は同じ部屋にあるのに、心はこちらを向いていない。
そう感じる瞬間が、いちばんこたえたんです。
目の前にいるのに、遠い。
そのちぐはぐさが、ずっと胸に残っていました。

ほしかったのは「向き合ってもらえている」感覚

長い時間じゃなくて、よかったんです。
ほんの少しでいいから、わたしに関心を向けてほしかった。
今日あったことを、うんうんとうなずきながら聞いてほしかった。
「それはよかったね」「がんばったね」って、肯定してほしかった。
大人になったいま、自分で自分にそれをする練習が、自分を整えるということなのかもしれません。
一緒にいる時間の長さより、向き合ってもらえているという感覚。
子どものわたしがほしかったのは、たぶん、それだけだったんです。
だから、忙しい親がぜんぶいけない、なんて思いません。
短い時間でも、ちゃんと届くものはあるはずだから。
むしろ、短いからこそ、その時間がきらりと光ることもある。
そう信じたいんです。

小さなマイナスの言葉が、いちばん残る

逆に、いちばん心に残っているのは、ため息でした。
「あーぁ、また」とか「なんでそんなことしたの」とか。
ひとつひとつは、ほんの小さな言葉です。
言った母も、たぶん覚えていないくらいの。
でも、向き合ってもらえないさみしさと重なると、ずしんと沈む。
子どもは、言葉の中身よりも、向けられた感情のほうを覚えているのかもしれません。
だからこそ、自分が親になったいま、その小さな言葉がこわいんです。

母を責めたいわけじゃない

念のため、書いておきます。
これは、母を責める話ではありません。
母は母で、必死だったんだと、いまならわかる。
そう思いたくて、以前母の視点に立ってAIに相談してみた話も書きました。
働いて、家のこともして、余裕なんてなかったはず。
ため息が出るのも、無理はなかったと思う。
ただ、子どもだったわたしの心が、たしかにそう感じていた。
その事実を、なかったことにしたくないだけなんです。
責めるためじゃなく、自分の子育てに活かすために。

いまのわたしが、大切にしていること

猫の額みたいな小さな家で、6人で暮らしています
正直に言えば、ひとりひとりに長い時間を取るのは、むずかしい。
だからこそ、自分の中で決めていることがあります。
短くていいから、手を止めて、顔を見て聞く。
ため息のかわりに、まずは「そうなんだ」と受け取る。
もちろん、できない日もあります。
余裕がなくて、つい雑になってしまう日も。
それでも、向き合おうとする姿勢だけは、手放さないでいたい。
完璧な親より、ちゃんと見ようとする親でいたいんです。
子どものころのわたしが、ほしかったものを。
今度は、わたしが渡す番だから。

子どものころのあのさみしさは、いまのわたしの指針になっています。
そばにいる時間の長さじゃなくて、向き合えているかどうか。
だから、もし今あなたが「一緒にいてあげられない」と悩んでいても、大丈夫。
大事なのは、たぶん時間の量じゃないから。
仕事をしていても、忙しくても、できることはきっとある。
ほんの少しでも、あなたのことをちゃんと見ているよ。
そう伝わる時間を、すこしずつ積み重ねていけたらと思っています。
わたしも、今日からまた。

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この記事を書いた人

KINUKOこと内山亜希
・27歳で結婚、30代で離婚。体外受精、特別養子縁組、DINKsの模索を経て、40代で3児の母に
・婚活カウンセラー/3つの結婚相談所を運営
・伴走のプロ、社会福祉士のわたしが幸せへの伏線化を個別サポートします

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